「ふふっ」



思わず笑みをこぼすと、有馬くんが怪訝そうに首を傾げた。



「なに?」



「有馬くんのこと、放っておけないなって思って」



「……当たり前。放っておかれたら困る」



照れながらもそう言って、有馬くんはあたしの腰に手を回して、ギュッと強く抱きしめた。



あたしは目の前の胸板に甘えるように、そっとしなだれかかる。



「これからもずっと、俺のそばにいてくれるって約束してくれるなら、あんたのこと信じてあげてもいいよ」



「……じゃあ、約束する」




顔を上げ、目と目が合うと、自然と重なる2つの唇。



外の音が遮断された2人だけの秘密の空間で、有馬くんが甘い声であたしに囁く。




「……好きだよ」




その言葉に、彼の照れた表情に、あたしは嬉しくなって、自然と笑みをこぼした。





Fin.