「やっと、教えてくれた……」
「え?」
「たいしたことあるじゃん。そういうことはちゃんと言ってよ」
有馬くんは、顎に触れる手をそっと動かし、あたしの存在を確かめるように指先で頬を撫でた。
そして、
「昨日は、ごめんね……」
申し訳なさそうな声で、囁いた。
その小さく弱気な声に、あたしの胸はキュッと締め付けられる。
何を、と言わなくてもわかる。由紀ちゃんと一緒にいたことだろう。
でも今は、そんなことどうだってよかった。
こうして触れ合えるだけで、幸せだったから。
「あんたを不安にさせるつもりはなかったけど、浅はかだった」
「ううん、あたしの方こそごめんね。有馬くんの話も聞かず、勝手にヤキモチ妬いて……」
「……謝らないで。俺、今、不覚にもちょっと嬉しいとか思っちゃったから」


