「待って!」
全速力で、創立祭で賑わう廊下を駆け抜けたけど、朝霧くんに追いつかれそうになる。
その声を無視して、あたしはひと気の少なくなったところまで来て、目に入った旧図書室に滑り込んだ。
けれど、そんな抵抗も虚しく、背後から朝霧くんに抱きすくめられるように捕まってしまった。
「は、離して……!」
力強い腕から逃れようと必死にもがいたけれど、朝霧くんは絶対に逃さないとでも言うように、より一層その腕に力を込める。
「やだ、離さない。俺、冗談じゃないよ。前から言ってたじゃん。
俺はいつだって真剣だったのに、受け止めてくれなかったのは美月ちゃんの方だよ」
「だって、そんなの信じられない!なんであたしなの?」
乱れた息遣いが、あたしの耳に届く。
あたしを想う気持ちが朝霧くんの言葉からひしひしと伝わってきて、キュッと唇を噛むことしかできなかった。


