「あなたに見てもらえないなら、あなたが笑ってくれないなら意味がないと……そう思って、有馬先輩は展示するのをやめたんだと思います」
「…………」
「あたしも完成した絵を見てみたかったですが、どうやらそれは、美月先輩だけのもののようです」
悲しげな瞳で、けれど笑みを浮かべるヒナタちゃんに、あたしはキュッと胸が痛む。
……ああ、この子もただ、有馬くんが好きなだけだったんだ。
知ってる。その胸の苦しみ。そして痛みも。
あたしだって、棗先輩を想ってる有馬くんを見てるとき、いつも苦しかった。
泣きそうなのを必死に我慢してるヒナタちゃんの手をそっと取り、あたしは制服のポケットからあるものを取り出して、手の甲にポンッと押した。
そこには、〝頑張りました〟と描かれてるスマイルちゃんのスタンプが刻まれる。


