思い出す。
夏休み明けの新学期。
ふたりで誰もいない美術室で過ごした時間を。
『ね、あんたはどう思う?俺が創立祭で絵を展示すること』
『そりゃあ、あたしは有馬くんの絵が好きだし、見てみたいけど』
『なら、やってみようかな』
『ちょっと待って!あたしの意見なんかで決めちゃっていいの?』
『いいんじゃない?あんたの言葉、わりと俺の原動力になるし』
愛おしい、大切な時間。
『追加でだけど、俺の絵を見てくれてるあんたも好きだよ。絵の知識ないくせに一生懸命ジーッと見てくれてるとことか、可愛い』
恥ずかしくて、けれどそれ以上に幸せなひと時だった。
有馬くんの言葉や仕草を思い浮かべるだけでドキドキして、想像だけでは足りなくなって、会いたいと思ってしまう。
そんなあたしを現実へ引き戻すように、ヒナタちゃんは口を開いた。
「あたし、美月先輩に負けたくなくて、有馬先輩に昨日、告白したんです」
「えっ!?」
ヒナタちゃんと突然の報告に、ギョッと目を見開く。
……うそ!いつの間に!?


