昨日の出来事を思い返す。



……そうだ。逃げてちゃダメ。



今は、有馬くんに会おう。



……会いたい。




「どこ行くの?」



早速、美術部の絵が展示されてる講義室へ向かおうとしたその足を阻めたのは、ニコニコと満面の笑みを浮かべる朝霧くんだった。


く……でたな。



「ちょっとそこまで」



「そこまで?じゃあ俺も一緒に行く!」



「いや、いいよ」



「やだ。美月ちゃんがまた倒れちゃうかもしれないから、監視しとかなきゃ!」



「もう倒れないよ」



「ってのは嘘で、ただ俺が一緒にいたいだけ。勝手に着いてくから、気にしないで」



そう言って、半ば強引にあたしの隣に来る朝霧くん。


……やっぱり、引いてくれないよね。