すぐに、何度も何度も有馬くんからかけ直しの電話がかかってくる。
だけど、あたしはそれに出る勇気もなく、自分のスマホの電源を落とした。
……ああ、もう最悪。
有馬くんはあたしの言葉を待っててくれたのに、あたしはそれに応えることもできない。
弱くて、卑屈で、醜いあたしの部分を垣間見た気がした。
隣り合わせに置かれているキャンバス台。
いつも2人は、隣で仲良く話しながら絵を描いてたのかな。
そのうちに、有馬くんもヒナタちゃんと一緒にいる方が良くなって……。
……言わなくて、正解だったのかも。
本当は2人でいてほしくない。
あたしと一緒にいてほしいって。
その答えもわからないまま、あたしはひとりで来た道を引き返した。


