梓の後輩というのは、言うまでもなくヒナタちゃんのことだ。


梓情報によると、有馬くんのことを最初は冷たい人なのかと思ったけど絵に対しては熱くて、とても優しい人だと感じたらしい。



やっぱりなぁ……なんて、今更思うこともない。


なんたって、あたしは本人直々に宣戦布告までされたんだから。



「はあ……」



「でっかいため息」



「そりゃあ、ため息もつくよ。ただでさえ有馬くんと話せてないし……」



最近、うまくいってる気もしない……。



「言えばいいじゃん。他の女のことなんて見ないで!あたしだけを見て!……って」



「いっ、言えるわけないじゃん、そんなこと!」



「なんで?」



梓はいたって真面目に、本気で不思議そうに聞いてきた。


なんでって……。