「言わないって選択肢はないよ。叱るのも俺の役目だし。
自分の体を大事しない本人の代わりに俺がこうやって労わってあげてるんだよって、思い知らせてやる」



心臓が壊れてしまいそう。


体中の血液が沸騰してるんじゃないかってくらい、熱い。



「……こ、降参です……」



「そうじゃない。わかったって、言って」



「……っ」



「言って、美月」



「……わ、かった……」



震えた声でそう言うと、ようやく有馬くんはゆっくりと身を起こし、あたしから離れた。


あたしはまるで、呼吸の仕方を思い出したかの人間のように、思いっきり深呼吸をして心を落ち着ける。



同時に、安堵の息が漏れた。



なんだか有馬くんのせいで、余計に疲れてしまった気がする。


心臓なんて、つねに働きっぱなしでオーバーヒート状態だ。