「過労ね。寝不足に頭痛、さらに創立祭の準備で、身体的にも精神的もキツかったんじゃないかしら」



「すげー熱。美月ちゃん、大丈夫?」



ぼんやりとする意識の中で、保健室に連れてこられたあたしはベッドに横になっていた。


ようやく意識をしっかりと取り戻し、体温を測った。


養護教諭の先生に測り終えた体温計を渡すと、それを覗き込んだ朝霧くんが目を丸くしている。



……どうやら疲れが溜まっていたみたいだ。



「ごめん朝霧くん、迷惑かけちゃって……」



ここまで運んできてくれたのは、言うまでもなく朝霧くんだった。



「気にしないで。前に言ったじゃん。美月ちゃん無理しすぎて倒れちゃいそうで心配って。そしたら案の定だよ。俺が傍にいてよかった」



「……ホント、バカだよね。ごめん」



「バカじゃないよ。美月ちゃんのは一生懸命って言うの」



朝霧くんの言葉が優しくて、あたしの瞼から涙が溢れ出そうだった。


全然、責めないんだなぁ……。



体調管理がなってないなんて、実行委員としてどうかと思う。もっとしっかりしなきゃ……。