「別に……いいよ」



「えっ?」



「お世話係。あたし、いつでも暇だから呼んでくれたら手伝う」



すると有馬くんは、驚いた表情をしたまま目を瞬かせた。


そしてすぐに、ハッとする。



「……ば、バカか。 世話係なんて、冗談に決まってるだろ……」



「あ、そうなんだ……」



冗談めいてたんじゃなくて、本当に冗談だったらしい。



あり得ないとでも言いたげな口ぶりの有馬くんは、自分の冗談が通じなかったのを恥じるように目を伏せてしまった。




……そんな冗談、言うんだなぁ。



人間らしい一面に、思わず笑みがこぼれる。



もちろん、有馬くんは人間なんだけども。



でもなんか、思ってたイメージが違うんだよね。



全然冷たくないし、今みたいに可愛いところもあるし……。