そうして、その場の揉め事はおさまった。



「葉山、俺も手伝えることあるならするから」



隣に座ってる石原くんが、小声で囁く。



「ありがと。でも、あたしと石原くんのふたりが買い出しに行っちゃうと、クラスの文化祭準備で仕切ってくれる人がいなくなっちゃうから、石原くんにはそっちを任せてもいい?」



「ああ、そっか。わかった。でも、キツかったら俺にも言えよ?手伝えるところはフォローするから」



「うん、ありがと」



石原くんの優しさに、笑って頷いた。



だけど、そのとき。



「はい、先生」



ふわりと、一際真っ直ぐに伸びる手が目に入る。




「俺も買い出し手伝います!暇なんで」




手を挙げた朝霧くんは先生にそう言って振り返り、あたしに向かってニコッと人懐っこい笑みを浮かべた。



ええええっ!?