「……!」
「あと5分だけだからね」
「……い、いいの?」
「あんたがそばにいてほしそうだから……っていうのと、俺がもうちょっとこうしてたいから」
「な、なら……あと10分は、どうですか?」
「…………。人の気も知らずに……」
はぁっと大げさにため息をついた有馬くんは、はたから見てると呆れてるように見えた。
今のはさすがに図々しかったかも……。
「やっぱり、ダメ?」
「んーん、ダメじゃない」
首を横に振る有馬くんに、嬉しさのあまり笑みがこぼれた。
まだ彼の体温を1番近くで感じられるんだと思うと、最高に幸せな気持ちになる。
「ありがとうございます……」
お礼を言いながら、そっと有馬くんの胸に顔を埋めてみる。
「ははっ。なんで敬語?」
すると、有馬くんはそっとあたしを抱きしめてくれた。


