「あたしは大丈夫だよ。長居しちゃってごめんね。それと、有馬くんこそ大丈夫?」



あたしはそっと手を伸ばし、有馬くんの額に手を当てた。



「!」



「うん。熱、さがってるみたいだね」



さっきよりも楽そうな有馬くんに、安堵のあまり笑みがこぼれる。



今日1日、無理させちゃってたのかな。


気づかなくてごめんね……。



「人のこと心配してる余裕ないよ」



「え……わっ」



突然、額に当てていた手を掴まれると、グイッと引っ張られた。



ベッドの上に身体が倒れ、目の前には有馬くんの顔。



一瞬の出来事に抵抗することもできず、あたしの心臓はこの状況にドキドキとしていた。