あたしが残るとわかった途端、有馬くんはおとなしくベッドに横になった。


あたしはベッドサイドに座り、有馬くんに寄り添う。



「何かしてほしいことある?」



「熱いから……額に冷たいの、のっけてほしい」



「わかった。じゃあ、下の洗面台借りるね」



そうとう熱でしんどいのか、素直に弱音を吐く有馬くん。



さっきまで借りてたお風呂場へ再び向かい、洗面台で濡らしたタオルを有馬くんの額にのっけた。



すると有馬くんは満足したように、すうっと眠りについた。



……寝顔を見るの、これで2回目だ。



ベッドに頬杖をつきながら、心地よさそうに眠る有馬くんを見つめる。


何度見たって、この寝顔を見飽きることはないと思う。



なんか、あたしまで眠くなってきちゃった。



そういえば、昨日は、今日のデートが楽しみで夜遅くまで眠れなかったからなぁ……。



柔らかなベッドに突っ伏すと、いつの間にかあたしも眠りに落ちていた。