「なら、ショートケーキにしなよ」
頭上から、有馬くんの声が降ってくる。
顔だけあげて有馬くんを見ると、彼は「はんぶんこすればいいじゃん」と、あたしにとって最良の選択肢を見つけてくれたのだ。
「い、いいの!?」
「すいません、注文お願いします」
勢いよく起きたあたしのことをスルーし、有馬くんは優雅に通りすがりの店員さんにケーキの注文をした。
そして、ルンルン気分でケーキを待つ。
有馬くんも、ちょっと楽しみげな表情で他のメニューを見ていた。
……そういえば。
「有馬くんも、ケーキが好きなの?」
「…………」
メニューから、チラリと視線だけこちらによこした有馬くんは、再びメニューに目を落として、
「…………」
ちょっと恥ずかしそうに、無言を貫いた。


