あたしはそれ以上、この子を不安にさせないために男の人にぺこりと頭を下げ、子供に視線を移して笑った。
「君の名前はなんていうの?」
「……ケイ……」
「えっ!?」
け、ケイって……有馬くんと同じだ……。
なんとなく、ちょっとした偶然が嬉しくて、よりこの子のことを放っておけなくなった。
「よーし!じゃあケイくん!ちょっと高いとこからお母さん探してみようか!」
あたしはしゃがんでケイくんをギュッと抱きしめたあとに、そのまま立ち上がる。
「わあっ!」
キャッキャッと嬉しそうにはしゃぐケイくんを見て、安堵の息が漏れた。
良かった、笑ってくれた。


