「テスト終わったぁぁ!!」



グッと大きく伸びをして、果てしない解放感に満ちている梓を横目に、あたしは石原くんに声をかけた。



「石原くん、こないだ言ってた話なんだけど……」



あれからあたしは有馬くんと話すタイミングを見つけたが、結局うまいことかわされ続けてテストを迎えちゃったんだよね……。



「あ、わりぃ葉山。もしかして今日遊べた?俺から誘っといてなんだけど、実は今日、妹の歯医者でさ……」



「え、そうなの?」



「うん。で、他の日に変えることできねぇかな?夏休みとかでも……」



なんだ……拍子抜け。



有馬くんとの約束とかぶったままだからどうにかしなければと思ってたけど、タイミングがよかった。



あたしはいつでも時間あるし、石原くんの都合がいいときで大丈夫だ。