「逆に計算してギリギリを狙えるってのがすげーな」



「はは、梓は器用だから」



他愛ない話をしたあとで、早速今日から放課後に、石原くんとテスト勉強をすることになった。


時間は放課後、新しく設立された図書室で。



そのプチ勉強会が実を結んでか、毎日続けるうちに石原くんは数学の問題の正答率が上がってきていた。



「すごいね石原くん、これも正解だよ」



「よっしゃ!」



「これならテストは問題ないと思う。飲み込みが早くて教える側も助かるよ」



「まあ、お前がせっかく教えてくれたとこはちゃんと解けるようにしたくて、家でも復習したからな」



無邪気に笑って、石原くんは得意げにそう言った。