必死にすがるような石原くんが、可哀想に思えてきた。



……まあ、いっか。


石原くんには何かとお世話になってるし。



「わかった。あたしでいいなら、いいよ」


「まじか、ありがとう!本当に助かる!!これで俺の人生救われた!」



そんな大袈裟な……。


石原くんの言い草に、思わずぷっと笑みがこぼれた。



「まーた美月ってば、そうやってすぐOKするんだから……」


一緒にお弁当を食べてた梓が、横から口を挟む。



「うるせーぞ清水!そういうお前はテスト大丈夫なのかよ?」


「大丈夫だよ、ギリギリ欠点取らないように計算して勉強してるから。
展覧会に集中しすぎて、今は早く家に帰りたい症候群なんだよね〜……」



ドサっと机に身をまかせるように項垂れた梓は、エネルギー切れなせいか、確かにちょっとしんどそうだ。