「なんであんたが、そんな絶望みたいな顔してんの?」
俯いて黙り込むあたしを慈しむように、覗き込む有馬くん。
「……だって、せっかく有馬くんが、棗先輩のために描いたのに……」
「いいんだよ、もう。俺には新しい目標ができたから」
「……?」
新しい、目標?
「棗が昨日言ってたんだ。自分のメッセージは、明日の展覧会に出展している絵に託してるって。
で、今日この絵を見に来て、確信した」
後悔なんてみじんも感じさせない笑みが間近にあり、ドキリと心臓が高鳴る。
「棗に憧れるのは、もう終わり。俺は俺らしい絵を描き続けるよ」
「……っ!」
有馬くんは気づいたんだ。
この絵に込められた、描き手の……棗先輩の想いに。


