「できた!有馬くん!」
あたしはそのままペダルを回すように漕ぎ続け、余裕の笑みを有馬くんに見せつけた。
これできっと間に合う!
「わかったから前向いて。事故する」
「あ、はい!」
言われた通り、前を向いて安全運転をしなければと心に留める。
心地よい風の中を、あたし達は駆け抜けていた。
「ねぇ、そのまま……前を向いたままでいいから、俺の質問に答えて」
「?」
「どうしてあんたは……俺のためにここまでするの?」
有馬くんの問いかけに、あたしはビックリして足の力を緩めかけた。
でもここで止まるわけにはいかない。
あたしも有馬くんも、動き出したばかりのこんなときに。


