すると頭上から、ふっと笑い声が聞こえてきた。
「わかった。なんかよくわかんねーけど、それなりの事情があるんだろ?
葉山には借りがあるし、いいよ。ほらこれ、鍵」
そう言って、制服のポケットにしまっていた自転車の鍵を、あたしの手のひらに置いてくれた石原くん。
何も聞かずに、こうやって協力してもらえて、すごく助かる……。
「ありがとう!」
あたしはもう一度、頭を下げた。
「いいから顔上げて、早く行ってこい」
「……うん!」
あたしは有馬くんの方へと振り返った。
コクリと頷く有馬くんに、あたしも頷く。
そしてもう一度、廊下を駆け抜けた。


