宇宙の中、ただ一点を目指して突き進むひとつの星。



それはまるで……。



「周りに惑わされず、しっかりと自分を持って、輝き続けますように」



棗先輩が、慧星という名のタイトルの一部……有馬くんに送っているメッセージのように思えた。




「棗先輩……いつここを出られるんですか?」



「……おそらく、展覧会が終わったあとかな。」



「えっ……!それって、今週の土曜日じゃ……」



「うん」



「有馬くんは、そのこと知ってるんですか?」



「うーん、どうだろう?私からは言ってない。言うつもりもないよ」



堂々とそう宣言する棗先輩に、何も言えなくなった。


どうしてそんな、眩しい笑顔を向けられるの?



本当にそれでいいの?寂しくないの?



ああ違う。


この人は、それが有馬くんのためだと思ってるんだ。