「もしかして、慧かな?」



ドキッ!!


……ば、バレバレだ……。


恥ずかしいあまり、汗がダラダラ吹き出てくる。



「すごい汗だけど、大丈夫?」



「は、はい!平気です……!」



本気で心配されてる。


こんな脂汗ごときに……!!



「……あなたは、葉山美月ちゃんだよね?」



「……え?」



「前に一度、慧から話を聞いてたの。おもしろい子がいるって」



有馬くんから……?



「慧と一緒にいるところを何度か見かけたことあるから、たぶんあなたが美月ちゃんなんだろうなって思ってたけど……違うかな?」



「いえ……あたしが葉山美月です」



やっぱり!と、あたかも確定していたかのように、棗先輩は嬉しそうに笑った。