「ううん、特に今は大丈夫だよ」
ちょうど、有馬くんとの練習もなくて暇だし……。
残念なことに、これは事実だ。
「そっか。でも、たまには息抜きしてね!」
「そうだよ!無理は禁物だから!」
この小さな騒ぎに、周りのクラスメイトの子もこちらを気にしているようだった。
「そうだぜ!みんな葉山を頼りすぎ!たまには手伝ってやったり、葉山の仕事を代わってやれよな!」
そして石原くんが、自分の席を立ってクラス中のみんなにそう言った。
うう!あんな大声で、恥ずかしい……!
だけど周りからは、そうだよな……なんて、ポツポツと声が聞こえてきた。
「ありがとねー、葉山さん」
「先生の雑用も嫌だったら断ればいいんだからね!」
「そうそう。葉山さんばっか背負う必要ないよー」