「いつも思うけど、あんたのそのえげつない声ってなんなの?」
「だってその絵、うますぎ……!」
「じゃあ、あんたの〝うわっ〟は、褒め言葉ってことだね」
クスクスとおかしそうに笑いながら、今度はリアルなオムライスを描いていく有馬くん。
たちまち黒板には、あたしの〝好きなもの〟で溢れていく。
それは有馬くんが描いた絵だけど、まるで黒板から出てきそうなほどにリアルで、生々しかった。
「おいしそう〜! 有馬くんすごいよ!こんな本物みたいな絵をチョークで描いちゃうなんて!」
「……よし、元気出たね」
「え?」
有馬くんが、なにかつぶやいた気がした。
「なんでもないよ。それより、あんたのせいで久々にこんなにいっぱい食べ物の絵、描いた」
あ、もしかして……。
有馬くんのつぶやいた言葉からして、あたしを元気付けようとしてくれたのかもしれない。
……あたしが泣いてたから……?
明確な答えはわからないが、有馬くんのその優しさに、また胸がギューッと締め付けられた。


