「ね、なんか好きなもの言ってみてよ」
「え?」
「なんでもいいから、早く」
チラリとあたしを横目で見ながら、唐突に尋ねてくる有馬くんに戸惑った。
……なんでも、好きなもの……?
「ええっと……ケーキ、とか?」
「ふーん。あんたってケーキ好きなんだ。他には?」
黒板に向き合いながら、チョークで何かを書きながらあたしにまたも問いかける。
他に……?
「えっと……オムライス? あ、あとハンバーグも好き」
「ぷっ。食い物ばっか」
おかしそうに吹き出しながらも、淡々と黒板に何かを書いてる有馬くんはとても楽しそうだ。
食い意地ばっか張ってる女だと思われたかも……。
そ、それは恥ずかしい。
何か言い訳はないかと必死に考えてしまった。


