「ははっ、何してんだろ……」
ひとり寂しくこんなことするなんて、バカらしい。
これじゃ、女々しい男みたいじゃん。
そう思うのに、瞼からは勝手に涙の粒が浮かんだ。
……あ、また……。
どうして涙なんかでるんだろ……?
悲しくもないのに、有馬くんのことを考えると無性に心が苦しくなる。
自分の気持ちに体がついていってない。
咄嗟に黒板消しで、書いた文字を消した。
こんな風に、自分の気持ちも簡単に消えればいいのに。
消し跡が、薄く長く伸びて、深い緑が目に映る。
……早く、日直の仕事を終わらせて帰ろう。
メニュー