笑ってそう言えば、しぶしぶといった様子で石原くんは男子達と教室を出て行った。
騒がしかった教室は、一気に静かになる。
掃除の子たちもテキトーに終わらせると、ちゃっちゃっと片付けて帰ってしまった。
……おお、あっという間にひとりぼっちだ。
スローペースで日誌を書きながら、あたしは視界に映るひとつの鞄を気にしていた。
有馬くんは、まだ校舎のどこかにいる。
有馬くんの席にかけられた鞄が、ひっそりとそれを物語っていた。
「よし、日誌終わり」
パタンと書き終わった日誌を閉じながら、掃除の子たちが消した黒板を見つめた。
すごく急いで消したのか、チョークの跡がうっすらと残ってる。
「はは、汚いなぁ」
独り言をつぶやきながら、黒板に近づき、黒板消しを手にしてゆっくりとその跡を消した。
こういうのは、強く力を入れて一直線に消した方がキレイに消えるんだよね。


