そう言えば、梓は昼休みに美術室にいたんだよね。


あたしも昼休みの終わりがけに行ったけど、そのときにはもう教室に戻ってたのかな。


美術室の前で、棗先輩と有馬くんが話してたことを考えると、おそらくそうなんだと思う。



キョロキョロと辺りを見渡してみたが、有馬くんの姿は見当たらなかった。


最後の授業もサボるつもりかな……。



結局、チャイムが鳴ったため、梓は自分の席に戻り、あたしも席に着いた。



先生の言ってる内容なんて身に入らない。



ただ、空白の席を見つめながら、さっきの美術室での有馬くんとのやり取りを思い出し、ぼんやりと授業を受けていた。