「う~ん・・・」


袋の中身と睨めっこ中の梨杞


「決めた!これにしよう。」

そう言って袋の中からプリンを取り出し、他のものが入ったままの袋を俺に差し出してきた


「・・・・?」


「それは春斗が食べて」

ニコッっと笑いながら言われたもんだからついつい頷きそうになる


これは梨杞のために買ってきたんだぜ?


「気に入らなかったか?」


「ううん。全部好きだからどれにしようかすっごい悩んじゃった」


「悩まなくても梨杞のために買ってきたんだから全部梨杞が食べればいいだろ?」


次の瞬間軽く梨杞に睨まれた


・・・・?
俺・・・何か変な事言ったか?



「春斗は・・・あたしを太らせたいの?」


「・・はぁ?!」


「全部食べればいいって簡単に言うけど・・・それ全部食べたら太っちゃうじゃん!」


「ッ・・あはは・・っ」


食べれるなら全部食べたいよーとかってブツブツ言ってる梨杞に思わず噴出してしまった。


「何で笑うのよ!?」

笑われたのがショックだったのか軽く涙目になってるし



「そんな事気にしてたんだと思ってさ」


「なっ・・・そんな事って何よ!!女の子にはすごくすっごく大事な事だもん」

それだけ言うとフイッと顔を俺からそむけ、俺に背をむけた。



背中を向けられたのがちょっと寂しくて、後ろから梨杞を抱きしめ


「梨杞・・・」



名前を呼んだけど全く反応してくれない。