「はい、今日はこれで上がりーっ」


その声に今まで漂っていた緊張感が解かれる

口々にお疲れさまと言う声が聞こえる

そう、ここは撮影現場

とある恋愛映画を撮っていた

医学生の青年と高校生の少女のラブストーリー


「お疲れさまです、玉梓―タマズサさん」


「天明屋-テンミョウヤさんも主演お疲れさま」


僕は話しかけてきた少女に返答する


「主演は主演でも今のところ出番なくて、同じ主演でも玉梓さんの方が大変ですよね」