いつまでも愛されていて羨ましい。


そんな言葉はもう聞き飽きていた。

上っ面なだけ。
来月で付き合って3年。

信吾が何回浮気まがいな事をして、何回美海は許してきたのだろう。

そんな事を思い出しながら溜め息を付いた。


いつまでも愛されていて、


いつまでも愛してきたのは美海だ。

他の女を見てからやっぱり美海がいい、と戻ってくる信吾とは違う。


信吾だけを想い、
他の人を見ることもなくあなたで充分と言い続けてきたのは美海だ。


別れろ!という果南と何度も喧嘩をした。

信吾の事で泣きわめく度に、浅見とマナが泊まりに来て慰める。

その横で果南が何度も信吾を殴りたいと言っていた。


何度同じ事を繰り返してきたのだろう。


それでも外せないこの指輪の輝きは、愛の証なのか、ただの強がったひけない想いなのかもう美海には区別がつかなかった。


-いいよ。-


たった3文字、その3文字に何が詰められていたのかは分からない。

でも美海の送ったメールはもう佐野の元に届いていた。


「え?やばい!信ちゃんにばれたら殺される!どうしよう。」


送ったメールを見返して思わず冷や汗を流した。