かけ直す、
と約束をし美海は一度電話を切る。
「何で出て来ちゃだめなの?みんなも千歳に会いたくないの?」
「マナは会いたくない」
「なんで?あたし会いたいんだけど!」
「浅見ー。だってよく考えてみなよ。実際マナ達は美海と千歳くんの話を聞いて相談とか乗ってるけどさ、上手くいけばいいかなとか思ってるけどさ、でも美海の親友として付き合う前の男を紹介されてもってなんかマナは思うんだよね」
腕を組みながら話すマナに対し、
果南が煙草の火を点けながら同意した。
「言ったらうちらは信吾とも高校の同級生だし、信吾の恋も応援して来たわけだし何かきまずいって事でしょ?分かるかも。紹介されるなら正式に付き合ってからがいいよね!」
「あー。なるほど。考えればそうかも。ごめん。あたし出しゃばった!」
「美海、分かる?もし自分がこっちの立場だったら紹介されたくないでしょ?」
「なんとなく分かるかも。でも紹介したかったかも」
「あ、でもうちら今日覗いてたから顔とかはもう見たよ!」
口を開けて、
美海は二重の目を大きくした。
どっから見てたのー!
と言う声が車内中に響き渡り、
果南がうるさいと怒り美海の頭を叩いていた。
3人に背中を押され、
美海は車のドアを開ける。
さっき会ったばっかりの千歳にどうしても会いたかった。
信吾とあんなことがあった後だからこそ千歳に会いたかった。
千歳という人肌が恋しくて、
千歳という存在が大きくて、
千歳という価値の大きさに気が付いた。


