「確かこの辺だった気がする…」
「あんた千歳の家行ったことないんでしょ?」
「ないけどどの辺って言うのは聞いたからなんとなく分かる」
「出たよ!頭の中カーナビ女。すごい記憶力!マナにも分けて」
「頭の中カーナビでの右と左言い間違えるから意味ないよ」
いつも通りの4人の会話。
いつもと変わらない美海に3人は安心していた。
「あれじゃん?」
果南が指さしたのは
今日美海を送りに来た車。
中には人影がある。
「電話してみ?」
頷きながら携帯を取り出し、
美海は暗記している千歳の携帯番号を押した。
車の中の人影が動き、
中にいるのが千歳だと判明した。
車のドアが開き、
千歳の足が出てくるのを見て
マナが美海に口ぱくで何かを言う。
「え?何?」
携帯を手で覆い、
音が聞こえないように美海はマナに問いただす。
「だから、千歳くんにまだ出てこないでって言って!」
力強く言い放つマナに急いで美海は千歳のそれを伝えた。


