浅見の布団に閉じこもり
美海は顔を隠した。
「開けてくんね?」
紛れもない信吾の声が
扉の向こうで響いている。
美海は車の音と、
信吾の足音で来る事に気が付いたのだ。
「どうする?」
「開けなよ」
「果南!でもそれじゃ美海が!」
「このままじゃ話にならないでしょ。美海もバカじゃない。信吾と話せば言い訳くらいすぐに浮かぶでしょ。それかその時の判断で本当の事を言うか」
浅見がゆっくり鍵を回し、
静かに扉を開けた。
あの美海に媚びるときの笑みも、
目尻を下げて笑う満面の笑顔もそこにはなかった。
一重の目はいつに無くきつく、
頬は痙攣していた。
「美海は?」
「い、いるけど」
果南に布団を剥ぎ取られ、今にも泣きそうな美海の顔が出た。
「何で電話出ないの?」
「…」
「今日具合悪かったんじゃないの?」
「…」
「美海?今日お前、何してた?」


