美海の鞄で携帯が鳴っている。
携帯に手を伸ばせずにいると、バイブレータは止まった。
ほんの数秒後にまた携帯が鳴り始める。
「どうしよう」
「早めうちらに言っておかない美海が悪いだろ」
「違うよ。あたしが勝手にいるよ、とか言ったのが悪いんだよ」
「あー、マナの携帯にかかってきたけど、どーする?」
浅見のベッドの上で美海はうずくまっていた。
美海は今日体調が悪くて寝ていることになっている。
体調が悪くてバイトも休んだくらいなら
遊びにだって行かないはずだ。
何より、寝ると言って電話を切ってしまった。
でも浅見が一緒にいると言ったことで信吾に嘘を付いていることが、
バレてしまったのだ。
部屋に戻りなにがヤバイのかを説明しているときから美海の携帯は鳴りやまない。
次に果南に電話が掛かってきて、
今はマナにも掛かってきている。
「とりあえず電話出れば?」
「出てなんて言えばいいの!?」
「んー、」
考えている間もひたすら誰かしらの携帯が鳴っている。


