2年生の授業も慣れはじめ、家でレポートを作成するゴールデンウィーク中の事だった。


疲れた目を癒そうとパソコンから離れ、ベットに寝転ぶ。

枕元に置いてあったピンクの携帯が光っているのに気が付いた。

どうせ、信吾だろうと目を閉じ携帯を開くのをやめた。


母親の声に目が覚めた時にはもう外は真っ暗で携帯の時計は7時を回っていた。


「やばい!果南から電話かかってきてるし」


折り返し電話をし、必要な会話のあとにくだらない会話に花を咲かせていた。


「もう、果南バカでしょ!うん、じゃあ明日ね。1時でしょ。たぶん遅刻するから。あ、果南もいつも遅刻か。はいはい、じゃーね!」


電話を切り、メールの表示マークを見て舌を出す。

返信が遅い、とまた信吾に怒られるのが目に見えていた。


遅くなってごめん、と打ち返信をする。


まだ表示の消えないメールマークに携帯をいじり続け、高校というフォルダにメールが入っているのに驚いた。


首を傾げフォルダを開くと「佐野」と表示されたメールがあった。


「は?佐野?」


思わず独り言を呟き、メールを開く。