「美海の彼氏は信吾だっけ?名前」
「うん」
「アドレスに入ってる?」
miu..s..miu@xxxxxx.ne.jp
「イニシャルだけ。向こうは名前をはっきりいれてほしいって言ってるけど、今は入れる気なくて。」
昔はもっとすごいアドレスだった。
信ちゃん大好き、
とか
美海ラブラブ信吾、
とかそんな意味のアドレス。
でも今はそんなアドレスにすることすら
面倒で、厄介だ。
「冷めてるね」
「だいぶ。もう愛情とかない気がするもん」
「俺には?」
「へ?」
ゆっくりブレーキが掛かり、また信号待ちで車が止まる。
助手席のヘッドに手が添えられるとゆっくり千歳の顔が美海に近付いた。
「ちょっ、」
きつく目を閉じ、
唇を噛み締めると
柔らかい千歳の唇が重なる。
体温が直に伝わって、
美海の頬を紅潮させた。


