「優しくて、無邪気で、子供っぽい所を好きになった。いつも一緒でいっぱい笑ってきた」
「うん、うん」
「でもその笑顔には裏があって信ちゃんはあたしの知らない所で浮気をしてたの。全部許して来たんだけどね」
「何回されたの?」
遠くを見つめ、
美海は思い返すように女の顔を浮かべた。
その顔を思い出しては
自分の泣き顔も浮かんでくる。
「3回かな。いつも美海だけだ、って言って信じて許して来ちゃったんだよね」
「今も?」
「今はしてないと思う。してる時はすぐ分かるから」
千歳が歯の奥をくいしばり、
歯と歯がこすれるような音がした。
「千歳の彼女は?」
「俺はね、6年付き合ってる」
「ろ、6年?」
首を縦に振る千歳の横で美海は口を開けていた。
それは驚かない訳だ。
美海の2倍も多く付き合ってるのだから。
「中学校2年生の時から付き合ってるんだ。俺と結構正反対で、常に俺を想っていてくれるような優しい子」


