「美海!お前が悪い!」


パスタを食べるフォークを思い切り突き付けられ、美海は下を向く。


「果南の言うとおりだよ」


スープをすすりながら浅見が横目で美海に言い放つ。


「でもマナがあんな事言わなかったら、」


ご飯に手を付けず、まだ謝り続けるマナに美海は食え、と無理矢理フォークを持たせた。


「あたしが悪いんだよ。3人に何も言ってなかったから」


果南と浅見が、当たり前だとでも言うように大きく首を縦に振った。


「で、何なの?」


3人が声を揃えて笑顔を向ける。早く聞き出したくて、手が疼いているのが分かった。

美海は目を泳がせためらい始める。

あいにく4人とも3、4限がないため時間が空く。


美海に逃げ場はなく、3人の事情聴取が始まると思い頭を抱えた。


「佐野って覚えてる?」


やっと口が開いた美海に3人は一度首を傾げ、思い出すと手を叩いて頷いた。


「あいつがさ、」

「え?佐野とできてんの?」

「マナ!話を聞け!佐野なわけないでしょ!」


美海が大声を上げて立ち上がると、冷たい視線を浴びた。

果南の口がバカ、と言っているのが分かり美海は静かに腰を下ろした。