「でもそう考えると美海のアドレス分かりにくいね」

「信ちゃんのはやたら分かりやすいけど」

「そのアドレスでもあいつは浮気するからね」

「美海もよく信ちゃんと3年も付き合ってるよね」



振り返るように美海と信吾の日々を思い出していた。

ふと顔を上げたマナが口元に人差し指をあてアイコンタクトを送った。



美海と果南の後ろからマナが静かにと言った原因が歩いてきた。




「みーうー!授業今終わったー!」


美海の頬に自分の頬をあて、信吾が顔を出した。


「お疲れ。次は4限?」

「冷たい!なんかあったの?」

「んー。しいて言えば暑苦しい」


信吾は美海から離れ、隣のテーブルから椅子を持ってきた。


「なんの話してたの?」

「美海と信ちゃんの思い出話だよ!」


マナが可愛く声をあげると信吾は嬉しそうに笑った。


「俺も入れてー!」

「勝手に入れよ」



果南が流し目で信吾を見ると笑顔が曇っていた。