マナが立ち上がり、大きく手を広げながら信吾をフォローした。


「でも美海さっき信ちゃんのメール見てにやけてたよ!」

「え?俺メール送ってないけど。」


一瞬静まる空気の中で、美海はマナを凝視した。

美海の冷たい目にマナは額に手をあてながら舌を出す。



「私、お腹すいた」

空気を読んだのか、果南が立ち上がり足を一歩踏み出した。

灰皿に煙草を落とすと、水で火の消えるいい音がする。


それを追うように浅見と美海も火を消した。


「んじゃ」


それ以外言葉が浮かばなかった美海は、固まったままの信吾に手を振った。



思わず不安をむき出しにしたのか、ポケットでくしゃくしゃになった最後の一本を取り出し、空になったゴミを思い切り地面に投げつけた。


そんな信吾をなだめる亮介の目には、一生懸命美海に謝るマナの姿が目に入る。

カフェテリアまで歩いていく4人を見送りながら信吾をなだめ続けた。