ハンドルを握った手を見て、美海は首を横に倒した。
「何?」
思い切り首を振り、目を車の外に向けた。
「最近手ばっかり見てない?なんか変?」
「あ、うん。なんか変かも」
口の端を上げ、薄笑いを浮かべながら美海の左手を自分の上に手を乗せた。
「美海の手もなんか変だね」
自分の手を見つめ、信吾の手に目を向けた。
唇を少し開き、目を大きく開いた。
唇を3回だけ動かし、手を凝視した。
「もうしないの?」
質問を返す事が出来ず、左手を思い切り引き離した。
左手を見つめ、ちょうど2ヶ月前の会話を頭の中に浮かべた。


