大きな溜め息をつき、携帯を何度も開く。
窓から顔を出す、輝かしい満月を見つめながらゆっくり呼吸をする。
「なんであいつ来ないんだよ」
部屋で一人言葉を漏らしながら煙草に火を点けた。
美海も車の免許は持っている。
こんな夜中じゃ家の車があるだろう。
信吾は少し期待をしていた。
前に自分が電話を切った後すぐに会いに行ったように、美海も自分に会いに来てくれるのではないかと。
何時間も待っているが、折り返しの電話が来るわけでもない。
メールもない。
かと言って会いに来るわけでもない。
少し戸惑いながら部屋を歩き回る。
歩き回ると煙草の煙が部屋中を遊び回り、部屋が白く霞んでいく。
ベッドに放り投げた携帯が、枕の横で鳴り出した。
ベッドに飛び乗り、すぐに携帯を開くと、メールが一通入っている。
「あいつ、何が悪かったのか気がついてないのかよ」
あたし、なにかした?と書かれたメールを睨み付け、煙草を灰皿に擦り付ける。
もう一度メールを読み直し、深く呼吸をする。


