望んでいた夏休みが始まる。
果南と海へドライブに行き、
海風を浴びながら防波堤で語り合った。
浅見と買い物へ行き、
これでもか、というくらいのお金を使った。
マナの家に遊びに行き、
マナの弟のレポート作成を手伝い夕飯にすき焼きを堪能した。
美海は思い描いていた通りの夏休みをすごした。
2週間のブランクはもう頭の隅。
あの軽井沢での日々は薄い記憶になっていた。
嫌な記憶は削り、
自分の楽しかった記憶を埋めていく。
人間なんてそんな生き物だ。
占いを見て、嫌な事は信じないで良いことだけを信じる。
記憶もそれと一緒。
楽しく過ごすために、美海のスケジュール帳は日を追う事に予定が詰まっていく。
信吾との予定を入れる暇がない事に気が付くのは、信吾からデートの誘いのメールが来た時だった。
2週間半予定を埋め尽くし、次に信吾と会えるのはその後だった。


