歪んだ愛情【更新中】



投げられた缶を拾い上げながら亮介は目尻を下げた。

手からすり抜けるようにゴミ箱の中に落ちていく缶を眺めながら嫌な想像を頭の中に浮かべた。


どんなに大事に手の中で包んでいても、指の間から美海がすり抜けていく。


大事に大事に包んでいても、
自然に自然に手からすり抜けていく。


「俺は捨てない、俺は捨てない」と小さな声で呟きながら信吾は首を振った。



差し出された2本目の缶に口を付け、喉を鳴らしながら体の中に流し込んでいく。


体中に冷えたビールが行き渡るように流れていく。

怒りで熱くなった体が落ち着きを取り戻すように徐々に冷える。



「悪い、缶投げて」


目尻を下げたまま首を振り、はにかむように優しく亮介は笑った。


「お前はいつも冷静だよな」

「もし唯子ちゃんが浮気したら俺も冷静じゃなくなるかもな、まして本気なんて。でも自分の非も認めるべきなんじゃないかなって俺は思う」


整髪料で整えた髪をかき乱し、前髪を掻き上げた。