コンビニを離れ、
数歩先を歩く信吾に駆け寄った。
「信吾、お前美海ちゃんの気持ちわかってるの?」
黙ったままの信吾の背中がやけに寂しくて、
静かに頷く信吾が孤独に感じる。
「絶対殴ると思った」
「しないよ、また美海が泣く」
信吾の頭の回路はすべて美海にたどり着く。
「俺はさ、美海が幸せならそれでいい、とかそんな甘い事は言えないんだよ。美海を自分に縛り付けて、美海を幸せに出来るのは自分しかいない、ずっとそう考えたきた」
整って顔が徐々に歪んでいく。
目を細め、夜空に浮かぶ一番輝く星を見つめた。
「俺は美海が一番望んでいる事をしてきた、俺は美海が思う理想の男に一番近いはずなんだ。千歳は美海の理想とはほど遠い。足りないものが多い」
ポケットから煙草を取り出し、暗闇の中で信吾の顔が明るくなる。
「でも、合うって。全部が千歳と合ったってあいつ言ったんだ」
うっすらと目に涙が浮かぶ。
亮介はその涙を見なかったことにしようと視線を伏せる。
「美海ちゃんの理想って?」
信吾が薄い笑みを浮かべながら話しをした。


