「5月?結構前じゃん!」

「そうなんだよね。3人は信ちゃんの存在知ってる手前言いにくくて」

「それで?どんな感じなの?」

「至って普通。何もないけど、」

「けど?」


美海は言葉を詰まらせて
3人の顔を見た。


そして頬を紅潮させる。

小さな声で囁くように
ときめいたメールの4文字を口にした。


「会いたいって」


女は恋愛の話が大好きだ。

浅見は椅子から立ち上がり、
マナは声を上げた。

果南は口の端を上げ、
目を細めた。


「やばーい!久々の恋ってやつ?」

「実質4年ぶりの恋でしょ?」

「美海!千歳くんに行こう!」

「果南は信ちゃんホントに嫌いだね」

「嫌いなんじゃなくて納得行かないの。美海にはもったいない」


4人の中では久々の
新しい話だ。

盛り上がりは最高潮にまで達した。


美海は煙草をくわえ、
眉間にしわを寄せた。


「千歳に会って、ホントに自分の気持ちが暴走したとき信ちゃんはどうなるんだろう。絶対別れなんてない気がする」


3人が頷く姿を見て、
美海は煙草の煙を吐いた。